大人のための趣味ピアノ上達法〜弾きたい曲が弾けるようになるために必要なこと
- ピアノを読む
弾きたい曲があるのですが、弾けるようになるにはどうしたらいいでしょうか?
という内容のお問い合わせを時折いただきます。
難易度の高すぎない1曲に、特別な思いがあって、ピアノの練習(できれば電気ピアノでなく)ができる状況、環境があれば、いつか弾けるようになると思います。(普通のピアノの方がいい理由はまた改めて)
何年か前に、56歳ぐらいの方(Aさん)がどうしてもベートーヴェンの「熱情3楽章」が弾きたいとおっしゃって、当教室にいらっしゃいました。
46歳ぐらいからピアノを弾くことをスタートされたと記憶しています。
大手の教室でレッスンを何年か受けた後、ご縁があっていらっしゃいました。
今回はAさんに教わった、このブログタイトル「大人のための趣味ピアノ上達法〜弾きたい曲が弾けるようになるために必要なこと」についてお話したいと思います。
40代でヴァイオリンを習い始めたわたくしは「こんな難しいこと無理!」と、習い始めてすぐに思いました。
映画「タイタニック」が沈む時に弦楽の人達が弾いていた、あの讃美歌を弾くことができれば…それが目標でした。
娘のヴァイオリンの先生に教えていただき、基礎から始め、それは1年ぐらいで弾けるようになりました。
短い曲ですし…。大満足でした。ピアノの「熱情ソナタ」に値するヴァイオリン曲は弾けません。好きなヴァイオリン曲が難しすぎることを分かっているのか、弾きたいと思ったことがありません。
そのような難しいこと(?)にピアノで挑戦されたAさん、すごいです!
「熱情ソナタ3楽章」への強い思いもうかがっていました。その思いがあったからできたことだと今も思っています。
3年ほどかけて曲の最後まで練習されていた記憶があります。「還暦コンサートをするんだ」とおっしゃって、ホールでその「熱情」を披露することが決まった矢先に重い病気に。客席で聴きたかったです…。
大人のピアノ指導について思考錯誤し、思い悩み、勉強させて頂き、成長させていただきました。今も変わらず感謝しています。
Aさんは、当時、ピアノについてのブログを書いていらしたと聞きました。何という題だったか…タイトルには“中高年”という単語が入っていて、「熱情」が弾けるまでを記録していたと…。曖昧な記憶があります。
Aさんはその曲がどうしても弾きたかった、何がなんでも弾けるようにしたかった、だから、弾けるようになったのだと思っています。
ピアノの先生たちは、アラフィフの方がピアノを始めて「熱情ソナタ」が弾けるものでしょうか…?。と思っています。私も当時、「やってみたらいいです」と言ったものの半信半疑でした。今思えば、よくお引き受けしたな〜と…。冷や汗がでちゃいます。
子どもの頃から趣味で習っていても、人(趣味で弾いている人達)によってはとてもたいへんな曲です。
「何をもって弾けたと言うのか?」とおっしゃる先生方が大半かと思います。考えは人それぞれでしょう。演奏途中に止まってしまっても、ミス音があっても、音楽的になっていなくとも、ましてや指がそんなに動いていなくても、ご自分が満足できれば「できた!」「弾けた!」と言っていいと思っています。趣味の大人ピアノの方々は…。
中高年の方々は、楽譜を読むことに時間がかなりかかり、その譜面を鍵盤に起こすことが、これまたかなり難しい。左右の手指をバラバラに動かすだけでも大変なのにペダル(足)も習得しないとならない…。険しい道の連続です。
「熱情」「革命」などの難易度の高い曲は、基礎教材を全てやらないと弾けるようにならない曲…ではないです。それらの曲を弾くためだけのテクニック練習をしたらいいのです。
例えば、「革命」だけ弾けるようになりたい!と強く思っていらっしゃる人にとって、同音連打や3度(例えばドとミ)の重音などの練習曲は必要ないです。時間の無駄です。お忙しいです。お時間ありませんからね。中高年の方々と幼いお子さんとは色んなことが違います(時間だけでなく)
弾きたい曲に必要なテクニックは、その曲中ですればいいのですが、難易度の高い曲を弾きたいと思っていらっしゃる大人の方の場合、それはとてもたいへんなことだと思います。時には「もうだめかも…」と挫折しかけるかもしれません。そんな時もその曲への強い思いがあれば、乗り越えられることができると思います。
「大人のための趣味ピアノ上達法〜弾きたい曲が弾けるようになるために必要なことは?」
「まず、その曲に対して強い思い入れがあることです。」