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「あの人のペダリングいいよね」って聞くけど,それって?

  • コラム
(これは過去の自作HP「リゴドンの音楽畑」の記事です)
※ペダリング…ペダルの踏み方(いくつかあります)。
踏むタイミング。踏む深さやスピード。
離すタイミングやスピードのことを言います。
…ピアニスト(女性)はドレスで足が隠れてしまうので,
どこの席からでも見えませんが,
男性ピアニストとか少し丈のの短いドレスの方なら,
上記のペダリングを見る(観察する?)ことが出来ます。
まず,ペダル=一般的には,3本あるうちの一番右のダンパーペダルのことを言います。
ちなみに一番左はソフトペダル。真ん中はソステヌートペダル
(アップライトピアノの場合,真ん中はマフラーペダル)。
次に,ダンパー=グランドピアノの蓋を開けて上から中を覗くと,
黒い物が鍵盤と平行に並んでいるのが見えます。
譜面台を抜き取って,椅子に座り,
中を覗くと赤い部分が黒くなったカマボコのような物が見えます。
これがダンパーです。
ピアノの弦は,低音では,1音につき1本~3本が張られています。
普段は(弾かない時は),ダンパーがこの弦の上にぴったり付いていて,
音が鳴らないようになっています。
鍵盤を打つ(押す)と同時に,ダンパーが上に少し上がり,
弦が開放されてその音だけが鳴ります
(実際には倍音〈曲中ハーモニー部分には差音も含む〉を含んでいますので,
時報のように純粋なその音だけ,というわけではありません)。

そして,ダンパーペダル=1700年代後半に作られたピアノに初めて使用されたそうです。
このペダルを踏むと,全てのダンパーが弦から解放されます。
開放することで,弦を共鳴させ,豊かな響きを作ることが出来ます。


♪ダンパーペダル(以下ペダル)を踏むとどんな音がする?踏んだ時と踏んでいない時の
音を聴き比べてみよう。

① ペダルを踏まずに1点A(ラ)か真ん中のC(ド)を弾く(10秒ぐらい)
② 上記の音を弾いてから,ペダルを踏む。踏んだ状態で10秒ぐらい
③ ペダルを先に踏んで,そのまま上記の音を10秒くらい弾く
④ 今度は③の状態から(音を弾いてから)5秒後にペダルだけを離す。
どうです?4つとも違いますよね。ペダルの踏み方ひとつで,こんなに違うなんて…!

 

♪ ピアノ演奏にとって,ペダリング(上記※)は,かなり重要!

ペダルは,ハーモニーの(和音)ため響きのためレガートの(つなげる)ために使います。
ペダルの踏み方は,踏むタイミング,踏む深さやスピード,離すタイミングやスピードなどの組み合わせで10種類ぐらいありそうです。ペダルの効果を指でする“フィンガーペダル”をいれてですが。ちょっと,並べてみようかな。

① シンコペーションペダル・・・・・・弾いた直後に踏む。
② アクセントペダル・・・・・・弾くと同時に踏む。
③ アコースティックペダル・・・・・・弾く前に踏む。
④ ヴィブラートペダル・・・・・・フルに踏み込んだ後,1/2~1/4の所までの間で踏みかえを
連続させる。
⑤ フォルテピアノペダル・・・・・・ffのハデな和音の後,次の音を音が出ないように鍵盤を
押さえた後踏みかえる。
⑥ クレッシェンドペダル・・・・・・じわじわと少しずつ踏み込んでいく。
⑦ ディミヌエンドペダル・・・・・・踏みかえながら音量を落とす。
⑧ フィンガーペダル・・・・・・鍵盤(指)である音を長めに保持する。
⑨ フェイドアウトペダル・・・・・・長めに延ばした音を切る時に,時間をかけてゆっくりじわじわとペダルを上げる。
⑩ ぶつ切りペダル・・・・・・音をばっさり切るペダル。パッとペダルを上げる。
⑪ グラデーションペダル・・・・・・あるハーモニーから全く違うハーモニーへだんだんと移し替えていく

まだありそうだけど,とりあえず,こんなところです。

(ペダリングの名前は私が勝手に名付けたものがあります)

ペダルを使わずに演奏するよりも,

この10種類(それ以上かも)の魔法をかければ,

それはそれは素敵じゃないかな!「

絵」でいう,輪郭をはっきりさせたり,ぼかしたり,濃淡つけたり,光と影を加えたり,距離感出したり(遠近法),という魔法。

それにしても“音”に関することを,ここで伝えるには限りがあるようです。

とにかく,ペダルの(魔法の)使い方一つで,全体の印象がかなり違ってきます

だから,好きな演奏家のペダリングは盗みたいと思ってしまう。
「どんなふうに踏むと,あんな音楽になるの?」と…。

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