ショパン「ノクターン遺作」弾き方
- レッスン日記(ジュニア)
最近、音の作り方がとても良くなってきた、
ジュニアコースのSさんのレッスン曲です。
この部分↓は f から急に pp なります。
このような短い時間で pp にするのは難しいかもしれません。
「ここ、急降下するよね~テーマパークにこんな感じが味わえる乗り物あったよね?」
「あ~ タワー・オブ・テラー(といったかな?)?」
乗り物の名前を教えてくれたのですが忘れてしまった..だめですテーマパークを知らない…
「そうそう、たぶん…!エレベーターみたいなのが下がったり上がったりしながら
ヒューって急降下するあれ!」
「乗った時、友達が~~~」と
少し乗った時のことを教えてくれました。
「先生は高所恐怖症だから乗れないな~」
「え?そうなの?」
「そうなのよね~(^^;)」
急降下ってスリルあるよね~。動き出す前は緊張するね。
ショパンのここは“スリル”ではないですが、
音量の急降下って強く何かをいっている(伝えている)と思うのです。
🎵なぜ難しい?
・ f から短い時間でdimしなければならないから。
・pp前のfもペダルを踏んで響いちゃっているいるから
🎵具体的にどうすればいい?
まず指だけで(ペダルなしで)29小節の3拍と4拍目でdimして f から pp にできる?
・右手メロディ
3拍目の「ミ」はほぼ強いままです。
この「ミ」はほっとけば減ります(ピアノは減衰楽器なので)
次の「レ♯」を、減ってきた「ミ」の音量に合わせて弱く弾けば、
30小節頭 pp に寄り添う音になります。
29小節頭「ミ」のボリューム が10なら「レ♯」は3ぐらい(結構弱い)。
・左手伴奏
8分音符4つでpp寄りにできるの?ペダル踏んでるよ?
3拍4拍の左手、「ソ♯ レ♯ シ♯ ソ♯ 」
のボリュームを「7⇒3⇒3⇒2」にします。
ペダルはフルペダル(一番下まで踏む)にせず、
1/3または1/4(楽器による)にし、「シ♯」で数ミリ(足の感覚研ぎ澄まして)上げます。
Sさん、タワー・オブ・テラー みたいな
音の急降下が上手くできるようになりました。
ギュ~ッとさせられる部分になりました。
たったの2拍分ですが、こだわって練習すると必ずよくなります。
その積み重ねをすることで全体がよくなります。
小澤征爾さんと その師 斎藤先生がおっしゃる
「1曲の後ろに100曲」“1曲を深めることが全てに通ず”
レッスン生さんにとっては、まず
「1小節の後ろに1曲」と思っています。
2拍とか1小節にこだわってレッスンすることが
生徒さんのピアノの上達につながります。